リレーコラム#01 こどもがまちで働くワケ

「子育ての目標とは何か?を考えた時に、自分が間違っていることに気がついた」


_こどもDIY部 さかたともえ



これは一度書いたものをうっかり削除してしまったものを、記憶を頼りに復元したものです。あれ、前に読んだのとちょっと違う?と思うかもしれません。ごめんなさい、そんなわけです。


こんにちわ。こどもDIY 部代表のさかたです。

リレーコラムの1回目は言い出しっぺの私からスタート。

いつもこどもDIY部を運営する立場で記事を書いてますが、今日は親として「こどもスタートアップ塾」や「こどものまちを作ろう」への思いを書いてみたいと思います。

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私には中3〜小1まで4人のこどもがいます。

次女を出産するまでは企業で働いてました。プロジェクトを動かしていくのが面白く、3徹泊まり込みも厭わない働き方をしていて、子育てよりも仕事を優先していました。

私がこどもの頃育った家庭は機能不全家庭で、小学生の時から家族も地域社会も息がつまりそうで大嫌いでした。早く出るためにバリバリ働くことが目標で、結婚し出産してもそれは変わりませんでした。

必然、子どもに対しても「早くして」「怪我をしないように」「病気をしないように」「私のいうことを聞いて」と自分の要求を押し付けてきました。

ある日未就学児だった長女と「椅子をデザインするワークショップ」に参加した時のこと。

90分で椅子のデザインを考え、ミニチュアを工作するという内容でしたが、

スタートから何していいかわからない長女はフリーズ。

するとスタッフの方が「こうしたらいいんじゃない?」とアドバイスをくれるのですが、「時間内に成果物を持ち帰ってもらわないといけない」という思いからか、ほぼスタッフさんが作るという状況に。

この光景を端からみてふと気づいたんです。

自分はこのスタッフさんと同じことを母親の立場でしている。仕事として結果を出すためには正しい。でも子どものことを思ったとき、子どもには何が残るのか?

すぐにゴミ箱行きになるであろう工作物以外に、長女の中に残るものは何もないじゃないか。

では子育ての目標とは何か?を考えた時に、自分が間違っていることに気づきました。


それから少し月日がたちますが、長女小4、4番目が1歳になったタイミングで、塾でも習い事でもないものづくりができる居場所として「こどもDIY部」を作りました。

当時は今と違い、活動内容は私が決めていました。

ある日二人の男の子に「僕たちは自由にしたい」と直談判されました。

正直なところ「自由工作かあ~やりたくないなあ」と思いました。

なぜなら自由であることは難しすぎて、メンバーが辞めていくことがわかっていたからです。

何を作るか?何の材料を使うのか?といった知識も必要だし、往々にしてこどもが自分でやりたいと思うものは本人の実力を超えています。だから最初は楽しくても途中で嫌になって投げ出します。

こどもの求める「自由」には「責任」が意識されていないので、その責任という部分を教えるのはとても骨の折れる作業です。

それでもその時は自由工作を受け入れることにしました。なぜなら直談判をした彼らの勇気に敬意を表したいと思ったことと、長女とのワークショップの思い出が頭をよぎったからです。

それからは新しく会員になってくれそうな方には「ここは工作教室(と便宜上言ってます)ですが、作品ができません。なぜなら〜」と説明をしています。全く理解ができない人もいるので、今でも説明の前はドキドキしますし、入会してもすぐ辞めちゃうかもな〜と思っているので、なかなか毎日スリリングです。

2014年に私はミニミュンヘンという、ドイツのこどものまちに出会いました。大人立入禁止で、60〜80種類の中から好きな仕事を選んで、好きなだけ飽きるまですることができます。

ここで子どもたちはまちを運営するという、徹底的におとなになりきるこ遊びを通して社会的役割を担い、「自由」と「責任」を自動的にセットで体験することができます。

おままごとの時に「お父さん」っぽく演じるこどもは、表情や言葉づかいが違ってますよね。あれと同じです。

ミニシティを東京で実現すれば、言葉で説明せずともこどもたちは自由と責任を体感できると思いました。


こういった場所を作り、そこに送りこむのが親としての私の仕事と決めました。

どんな体験をし、何を学ぶかはこども次第。決して自由は楽しいことばかりじゃない。

失業もあれば逮捕もされるかもしれない。冤罪だったら跳ね返す力も必要になる。

それでも親としてはあくまで手を下さず、口も出さず、こどもを励まし送りこむだけです。


今4番目の子は「いじめられるから学校に行きたくない」ということがあります。

マイペースな彼はきっといじめの格好のターゲットでしょう。

そしていつか学校に行かない、という選択をする日が来るかもしれないし、来ないかもしれない。「こどもスタートアップ塾」は学校に行かなくなった時のことをイメージしている面もあります。


学校だけが全てじゃない。世界はもっと広い。

先生、親、兄弟、友達だけじゃない。世界にはいろんな生き方をしている人がいっぱいいる。

広い世界を見て自分を認められるようになったら、また立ち上がればいい。


そんな風に構えて見ていられるようになりたい。そのためには親は相当な覚悟が必要です。

それすらもチャンスと捉えて、その隙にいろんな生き方の大人に触れる経験ができたら、親にとっても子育ての目標を問い直す機会になるはずでしょう。



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リレーコラム#02は、学校の保健室の先生からみたこどものまちをテーマにお送りします。

ではでは、またね。




こどもDIY部ではこどものまちを常設化することを目指しています。実際には60㎡のアトリエでは「まち」はできません。でもWEBという広く世界に繋がる場所を利用することを考え、そのWEB開発費をクラウドファンディングで集めいています。こども達が自由に挑戦できる場づくりにぜひ力を貸していただけませんか?

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