リレーコラム #08 こどもがまちで働くワケ



「楽しさ」を求めて、臨機応変に新しい遊びを生み出したり、ルールを変えたり。~ 創造力の原点は「あそび」にあるような気がしてなりません。


_東京都図工専科教諭 山内 佑輔

リレーコラム8回目は、現役の公立小学校の先生である山内佑輔さん。公私にわたってこどもたちの創造的学び場を作り続けている山内先生に、「子ども×創造×ICT」について伺いました。






Q1 現在のお仕事やこれまでの活動の内容を教えてください。

 僕は現在、小学校の図工の時間を通じて、子どもがワクワクして取り組み、子どもたち同士の対話から生まれる協働的で創造的な学びの場をつくっています。粘土からタブレットまで、あらゆるものを材料・道具・手段として、時には地域やアーティストと連携して、子どもたちと一緒に様々なことにチャレンジしています。

 そんな図工の時間は豊かな感性や、未来を生き抜く能力を育むために、子どもたちが主体的な活動し、試して、失敗して、悩んで、話し合って、自分たちで価値や意味をつくっていく大切な時間なのです。

  

 勤めてる小学校の子どもたちからは「1日全部図工だったらいいのに!」「休みの日でも図工がしたい!」「図工は大切な時間なんだ!」と嬉しい声がたくさん届きます。ところが、多くの大人たちにとっての図工は過去の記憶から、「先生の見本にならって、絵を描いたり、ものを作ったりする時間」という認識が強いのも事実。

 

 そこで、子どもたちと楽しみながら、大人たちに”今”の図工の価値を伝えるべく、出張図工室プロジェクト「山と水の図工室」を2018年7月からはじめました。週末に図工の授業をベースにしたワークショップ形式のイベントを都内各地で展開し、多くの子どもたち、大人たちと活動し、その価値を発信しています。

 

 また「デジタル」「クリエイティブ」「ICT」をキーワードに様々な分野の方と連携した「SOZO.Ed」というテクノロジーをいかした創造的な学びを目指す研究チームを発足しました。こちらもワークショップなどを展開しながら、「未来の学び」についてみんなで考え、学校での授業実践を重ねています。テクノロジー×図工の授業はこうした取り組みの中から生まれています。

 これからも様々な人と手を取り合って、子どもたちと一緒になってワクワクする創造的な学びの場を作り続けていきたいと思っています。



Q2 子ども時代はどんなことに熱中していましたか? 

 小学生の時は、野球好きの少年で、仲間と野球ばっかりやっていました。

 学校の中での記憶はほとんどなくて、授業なんて全然覚えていないのですが、放課後教室に残って、男女6人くらいの仲良しメンバーと「帰りなさーい!」と先生に言われるまで、いつまでもおしゃべりしていたなぁとか、友達と暗号をつくって、「解読してみせよ!」と仲の良かった保健室の先生に挑戦状をだして遊んでいたなぁとか、そんなことが印象に残っています。結局、今と変わらず、人と関わることに熱中していたのかもしれませんね。


Q3 2020年から義務教育でもプログラミングがスタートします。山内先生はすでにプログラミング教育を実践していますが、子どもたちとICTとの付き合い方についてどうあるべきだと思いますか?


 プログラミング教育の目的はいくつかありますが、小学校では「あぁ、プログラミングって、コンピューターって、楽しなぁ〜!」と子どもたちに感じてもらうことがとても大切だと思っています。

 

 学びは日常の様々なところにあります。自然、街、人、文字、言葉、音、デザイン。。。良い「きっかけ」と出会うことで、今まで見過ごしていたものが急に気になって、見えていなかったものが見えたり、感じていなかったものを感じることができたりしますよね。それが一番大切な、日々の学びになると思っています。

 テクノロジーも同じで、ICTがどんどん日常に溶け込んでいく今の社会において、良い「きっかけ」と出会うことで、それはブラックボックスではなく、楽しいもの、ワクワクするもの、自分が関わり合えるもの、そんな風に感じられるのではないでしょうか。そういう付き合い方ができると、毎日はきっともっと楽しくなると思います。

 僕ら大人はそういう「きっかけ」を色々な場で、子どもたちにそっと与えられる存在にならなければいけないなぁと思うのです。



Q4 こどもDIY部は学校外で小学生をメインに活動していますが、小学生のうちにやっておいてほしいなと思うことはありますか?

 子どもたちと一緒にあそんでいると、とにかく「楽しさ」を求める彼らの姿があります。「楽しさ」を求めて、臨機応変に新しい遊びを生み出したり、ルールを変えたり。ゼロから何かを生み出したり、今あるものを視点を変えて価値をつくったり、創造力の原点は「あそび」にあるような気がしてなりません。もうとにかく思い切り遊んで欲しいです。

 自分達でつくりだし、友達とのコミュニケーションの中で育まれる遊びは、僕は勉強よりもずっと大切な学びでもあると思うのです。


Q5 最後にクラウドファンディング中の「こどもスタートアップ塾」へ応援メッセージをお願いします!

 今の子どもたちは、親や学校の先生、他には習い事の先生くらいしか大人と出会っていないのではないでしょうか。子どもたちにはたくさんの大人達にであって欲しいと願っています。それも「かっこいい!」「すごい!」「大人も楽しそうだなぁ!」と思わせてくれる大人たちに。

 「こどもスタートアップ塾」ではきっと、そんなかっこよくて素敵な大人にたくさん出会える場所になると思っています。。そして、たくさんの「きっかけ」と出会い、自分の世界をどんどん広げていく場所になるに違いない!そんな風に思っています。

 遊ぶように面白がりながら、大人もびっくりの世界をつくあげて「わはは!すごいでしょう!!」と、満面の笑みを浮かべている「こどもスタートアップ塾」の子どもたちの姿を楽しみしています!





小学校のプログラミング教育第一線で活躍している山内先生は「創造力の原点は「あそび」にあるような気がしてなりません。」といいます。プログラミングも粘土も絵具も”ただの素材”であって、その素材をどう料理するか=創造力がこれからの時代は大事なんだなと感じました。


こどもDIY部でもあそぶように働くかっこいい大人とこどもを結びつける活動を「こどもスタートアップ塾」として発信します。6人のプロがこどもたちと企みを繰り広げてくれます。

来春からデジハリの講師も務めるアートディレクター佐藤ねじさん、探究学習第一人者の市川力さん、こどもの頃からの夢を実現した魔法つかいKOJIさん、思いを伝える動画ディレクター家子史穂さん、プロニート(?)のNEET株式会社の仲陽介さん、そして若手人気落語家の春風亭一之輔さん。ただいま一緒に企んでくれるこどもたちも募集しています。

そして2018年12月31日までに目標150万円達成したい!ぜひ皆様の応援お願いいたします!


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